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2008年11月23日日曜日

九州場所千秋楽

九州場所の千秋楽は、白鵬と安馬の優勝決定戦となった。

本割で先に把瑠都を破った安馬は、落ち着いて見えた。
13勝を挙げ、しかも横綱を破ってのこの成績で大関を確実にして、そのうえ優勝を望むなど、考えられなかったのかもしれない。もう充分だという顔に見えた。
一方の白鵬は目の前で安馬の勝利を見て、緊張の度合いがさらに高まったようで、小さな目が落ち着きなく左右に動いていた。12日目で安馬に負けているだけに、二度も負けることは横綱として許されない。極度のプレッシャーを感じていることは想像に難くない。
それでも琴光喜を難なく料理して、いよいよ優勝決定戦。
入場する二人は、ついさっきの二人の表情をちょうど入れ替えたようだった。
緊張で顔がこわばってきた安馬と、逆に落ち着きを取り戻した白鵬。

この一番は、今年の取り組みのベストだと言ってもいい。
安馬のスピードを封じたものの、がっぷり組んでからも苦戦する白鵬。吊ったり巻き替えたり、粘る安馬に苦労していた。そして首根っこを押さえつけながらの豪快な上手投げ。安堵と疲労がどっと来た白鵬は、勝ち名乗りを受ける間も、膝に手をついていた。安馬も良くやった。白鵬を脅かすのはもう朝青龍ではない、君しかいない。

しかしさすがは白鵬。インタビューでシャイな面を見せながらも、相撲界の顔としての責任感を一身に背負う、まさしく君は大横綱だ。

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