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2010年3月18日木曜日

スリランカ旅行 19

19日目(2010/1/23) ゾウの孤児園へ


朝9時に出て、バスターミナルからキャンディ行きのバスに乗り、ピンナワラを目指す。
ジャングルで母とはぐれたりしたゾウの孤児園がそこにあるのだ。

バスは、異様に遅かった。市内を出るまで、客集めでノロノロ、町を出ても、片道一車線はノロノロ。しばらくは時速30kmくらいで走っている。
満席で立つ人も多かったが、幸い最前列に座れた。3人がけで、俺たちの隣に若い男が座っていたのだが、途中で坊さんが乗ってくると、さっと立って譲った。窓の上に、for clergy と書いてあったから、この席は、坊さんが来たら譲らなければいけないらしい。さすが仏教の国だ。ん?ヒンドゥとかムスリムの聖職者にも譲るんかな?
田舎へ来てようやくまともに走るようになったが、途中の町々ですぐ渋滞にはまる。青いリボンが大量になびいているのを見るにつけ、選挙活動もピークに近づいていることを実感する。

3時間かかってようやく80km先の町、キャーガッラまでやってきた。ここの渋滞も何とか抜けて、郊外の分かれ道で降ろしてもらった。乗り換えるバスはこの分岐点でつかまえる。角のパン屋で、軽食とお茶を飲んで待つ。
しばらくしてやってきた古いバス。山道と渓流沿いにゆっくり進む。降りる場所は、隣のおばさんに聞いたら、着いたところで教えてくれた。

ピンナワラのゾウの孤児園は、ガイドブックの情報から、さらに倍近く値上がりしてRs.2,000。二人で3,300円分だ。スリランカ人や近隣諸国の人は、何分の一も安いのに。どうも今年に入ってから、スリランカ各地で外国人料金が値上げしたらしい。

まあ文句をいいながら入ってみると、特に何があるというわけでもなく、ただゾウがいっぱいいるだけだ。


孤児を集めて世話しているというから、高い料金もしかたがないのだが、ただ見るだけというのもつまらない。ゾウ使いが手招きしてゾウに触らせてくれ、高いチップを要求するのも想定内。10だけ払おうとしたら、目もくれずに行ってしまったけど。


ゾウの肌は見かけ以上に固かった。なぐっても感じないだろう。ゾウ使いが、先端に鎌の刃をつけたような長い棒でゾウを引っ張るのも、うなずける。
盲目のゾウや、足が一本ないゾウもいた。


群れの中から子供のゾウだけ屋根つきの囲いに連れて行かれ、この園内で唯一の見せ物らしい、子ゾウの授乳が始まった。2リットルくらいのボトルのミルクを、子供とはいえ、あっという間に飲み干すのはおもしろい。




入り口付近の休憩所でコーラを飲む。ここにも日本語を話す兄さんがいた。茨城でスリランカ料理屋にいたそうだ。
そうこうしていると、地響きとともにゾウの大群がやってきた。すごい迫力。門付近に立っていると、危ないからどけと言われた。直後にその場所にもゾウたちが押しあいへしあいしながらなだれ込んできた。おお、コワ。


ゾウたちは、土産屋の並ぶ道を通って、川へ降りていった。
ここで水浴びをするのだ。




ゾウたちは思い思いの場所に行き、水に浸かるのもいれば、鼻を使って体にシャワーしたり、向こう岸まで行って草を食っているのもいる。見ているだけでおもしろいし、見飽きない。ゾウってかわいいんだなあ。

川を見下ろすレストランで、ボーイが勧めるカレーセットを断り、パスタを注文したがまずかった。それでいて、今回の旅で一番高い食事になった。ライオンビールはうまかった。

飯が終わると、ゾウもそろそろ帰る時間だ。たくさんの観光客にエサを投げられながら川からあがってくる。狭い道になだれ込む。気をつけてないと、ほんとに踏みつぶされる。




ゾウたちは帰っていった。
俺たちも帰ろう。

来た時と同じようにバスに乗って、キャンディ街道でエアコン付きのコロンボ行きバスをつかまえた。今まで乗ってきたバスとは違う。2×2で、満席なので補助席に座った。
いつも思うのだが、スリランカのバス乗務員はかっこいい。バスの男たちは若いのも年寄りも、寡黙な人もおしゃべりも、みな顔つきがいい。仕事に誇りを持っているように見える。まるで船乗りみたいに。
このバスの運転手も集金係もそうだった。壮年の体格のいい男たち。ミラーに見える目つきは鋭く、ふんぞり返っているようにも見えるが、それでいて親切だ。

行きよりも帰りは速かった。

ホテルでシャツを脱ぐと、背中一面に水泡が。日焼けで皮がむけ始めたのだ。嫁の体も同じようになっていた。恐るべきヒッカドゥワの太陽光。つぶすと汗がびちゃっとする。痛がゆい。

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